1. 概要
中国の法人所得税(CIT)は、国内企業および外国企業の中国内所得に対して課される直接税です。標準税率は25%であり、企業の所得から損金算入可能な費用を控除した後に計算されます。2008年の新税法以前は外国投資企業に優遇税率が適用されていましたが、新法により国内外資を問わない統一税率となり、代わりに産業別・地域別の優遇政策が導入されました。例えば、高新技術企業や環境保護企業は15%、半導体・ソフトウェア設計企業は一定期間10%の税率が適用されます。外国企業で中国に恒久的施設(PE)がない場合、中国源泉所得(配当・利子・ロイヤルティ・サービス料など)に対し通常10%の源泉徴収税が適用されます。
2. 主要トピック
納税義務者と課税所得
税務居民企業(TRE):中国で設立され、または実際の管理が中国にある企業は、全球所得に対して25%のCITを負担します。国外支店からの所得も課税対象となります。
非税務居民企業(非TRE):中国内に設立された恒久的施設を通じた所得や、非居住者企業が中国国内に機構・場所を有しない場合、又は取得する所得がその機構・場所と実質的な関連を有しない場合には、中国国内源泉所得(利子・配当・ロイヤルティ等)のみが課税対象となります。
優遇税率と控除制度
中国の標準企業所得税率は25%ですが、一定の要件を満たす企業及び事業には優遇措置が設けられています。例えば、認定を受けたハイテク企業及び技術先進型サービス企業には、一般に15%の優遇税率が適用されます。また、一定の小型薄利企業については、2027年末まで、課税所得を25%に減額した上で20%の税率を適用する措置があり、結果として対象所得に対する実質的な税負担率は5%となります。
税率の軽減に加え、一定の研究開発費については、通常の損金算入に加えて100%の加算控除が認められます。適格な技術移転所得、環境保護・省エネルギー関連プロジェクト、特定のソフトウェア・集積回路事業などにも、所得控除、免税又は減税措置が適用される場合があります。
これらの優遇措置の適用は、企業の業種、所在地、認定資格、事業内容、研究開発活動及び証憑管理などの具体的な要件によって異なります。したがって、税率のみで適用可否を判断せず、申告前に適用要件と必要資料を確認することが重要です。
CIT申告と支払
企業は毎月または四半期ごとに暫定税の申告・納付を行い、会計年度末(通常は12月31日)の翌年5月31日までに年度税務申告を完了させる必要があります。電子申告(E-tax)が標準化されており、税務局へのオンライン提出が要求されます。正確な会計記帳と税調整事項の管理が重要であり、関連会社取引や非居住者との取引については移転価格調整や源泉税申告との整合性が求められます。
利益配当とCFC規制
中国子会社が海外親会社に利益配当を送金する場合、10%の源泉徴収税が課されますが、二国間租税条約により税率が軽減される場合があります。親会社が低税率国に所在する場合、未分配利益を中国本社の所得としてみなすCFC(Controlled Foreign Corporation)規則が適用され、効果的税率が12.5%未満の子会社の利益が中国本社に帰属されることがあります。
GAARおよびthin capitalization
中国には一般反避税規定(GAAR)があり、合理的な商業目的を欠く取引や租税回避スキームに対して税務当局が所得調整を行う権限を持ちます。また、他の業界に比べ金融業以外の企業では負債資本比率2:1を超える借入金利の損金算入が制限されます。利子費用の税務処理や内部財務政策を設計する際にはこの制限に留意すべきです。
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